2018年12月22日 |
顔面神経麻痺には「ベル麻痺」、「ラムゼイ・ハント症候群」、「ギランバレー」などの種類が有ります。
この中でも「ベル麻痺」が一番患者さんが多く約7割を占めています。
ベル麻痺はヘルペスウイルスによって顔面神経管内の神経が腫れる事で、神経管に膨張した神経が圧迫され神経内の毛細血管に血が巡らなくなり麻痺を生じるとされています。
一般的にはベル麻痺の場合は10日間の入院による副腎皮質ステロイドの大量点滴療法、またそれに加えてウイルスを殺す薬の投与が行われることも有ります。
また場合によっては神経管を削る手術が行われる事もありますが、耳が聞こえにくくなったりの後遺症が起こる事もあるので、あまり積極的には行われない様子です。
先週から来られて本日2度目の顔面神経麻痺、後遺症の患者さん。
前回の治療の後、ストローで水を飲もうとしたときに口から水がこぼれていたのが何とかこぼさずに飲めるようになったと言われました。
今回の患者さんも約10カ月前にベル麻痺にかかり、ステロイドなどの治療を受けたあと耳鼻科より鍼灸治療を勧められて当院に来られました。
前回の治療後は、なんとなく全体的に良い感じで鍼灸は即効性があってビックリしたと話されていました。
現在は口角が下がっている事と、目の共同運動が生じていることが気になるのでもう少し何とかなればといいなの事。
関西でお世話になった先生は顔面神経麻痺が得意だったのですが、その先生の治療は約10センチの鍼を3本、Zの形に入れて行く様な治療をされていました。
以前は僕も同じ治療をしていたのですが、上手く狙った筋肉に当てられないのか、効果が出たりでなかったりなので最近では愛媛の剛鍼灸院の岩ケ谷先生に教わった顔面の反応を丁寧に見て鍼を打っていくスタイルに変更しております。
0.14mmのかなり細い鍼を丁寧に顔面の反応に打って行くと何かしら良い反応が出てる事が多いのですが、反応が出ない場合だと別の方法でのアプローチになります。
今回は前回に比べて反応が分かりにくくなっているので、動きの悪い筋肉を狙って鍼を打つことに加えて眼窩内刺鍼を行いました。
共同運動に対してはパルスの波長を変えてやると良いと論文を読んだことがありますがイマイチピンと来なかったので眼窩内刺鍼で様子見です。
治療後は麻痺側の法令線が深くて気になっていたのが、少し目立たなくなっているとのことでした。
また来週来られるそうなんのでその時に、今回の結果がどうだったか楽しみです。
顔面神経麻痺の方は以前大竹から来られた方が居られましたが、今回と同じように反応を丁寧に見て取っていく治療を重ねて行った結果、無事に完治されていきました。
今回の方も治療を重ねていけば無事に完治されることと思います。